こんにちは、おじぃです。
前回は基礎工事全体について見ていきました。
今回は、前回省略した配筋部分の確認ポイントを見ていきます。
私が我が家で確認したいと考えている配筋のポイントは、鉄筋自体、配筋の間隔、配筋の重なり、かぶり厚、アンカーボルト周りかぶり厚、剥離剤についてです。
鉄筋
鉄筋自体について何を見るかというと、それは鉄筋に油分などが塗布されていないか、余分なものが付着していないか、という事です。
どういう事かと言うと、通常、金属は錆びると良くないので何かしら表面に塗装していたり、油分を付着させて空気や水と直接触れにくいようにしています。
これは金属が直接外気にさらされる事を前提としているためです。
しかしながら、基礎の鉄筋の場合はコンクリートの中に埋められるため基本的には外気や水に直接触れることはありません。
ですが、油分や余分な付着物が表面にあるとコンクリートが鉄筋をきれいに包んでくれなくなってしまいます。
そうすると隙間から空気や水が入り込みやすくなるでしょうし、コンクリートからすっぽ抜けやすくなり、場所によっては強度が低下してしまいます。
なので、鉄筋に油分など塗布されていないか、少し触れてみたり、表面の状態を目視して確認します。
少し錆が浮いているくらいならば全く問題はなく、油分を塗布していないことの確認にもなります。
また、余計なもの(土汚れや過剰なサビ)は払い落として綺麗にしておく必要があります。
こちらは単純に汚れがあるとコンクリートがきれに鉄筋になじまないためです。
ここまでは鉄筋は少しぐらい錆びていても問題ないと言いましたが、アンカーボルトはそのほかの部分と若干異なり、錆びているのはよくありません。
なぜかと言うとアンカーボルトはコンクリートに埋まってない部分があり、上部の木材と締結させるからです。
配筋の間隔
設計通りの配置となっているか確認します。
我が家の場合は、この@200との記載が、200mm間隔で配筋します、と言う記載になっています。
配筋の重なり(継手長さ、定着長さ)
一本の鉄筋の長さは数メートル程度?なので、家の端から端まで配筋するには何本も繋げて行く必要があります。
その際の指標は公共建築工事標準仕様書に記載があります。
やり方?を重ね継手と言い、重なっている長さは継手長さや定着長さと言うみたいです。
これには決まりがあり、条件によって違うようですが一般的には40d(鉄筋の太さ×40倍)以上の長さが必要です。
10mmの鉄筋なら400mm、13mmの鉄筋なら520mm、と言った具合です。
現場を見に行った際にはメジャーで重ね継手の長さを測っておきましょう。
※我が家の場合は35dでした。鉄筋の種類、及び使用するコンクリートの設計基準強度によって変わってきます。この辺は先の記事になりますが下記に記載しています。
尚、継手の位置はすべて同じ位置にするのではなく、ある程度距離を離してバラバラにする(違い違いなど)方が良いそうです。
配筋同士の重なり(本数)
規定元まで追えていませんが、3本までは束ねて良いようです。 それより多くなると必要な距離を開ける必要があります。
配筋のコンクリートかぶり厚
公共建築工事標準仕様書では、基礎の立ち上がりは外周側40mm、内側30mm、土に接する部分は60mm以上必要とされています。
我が家の場合は下の図のようになっています。
立ち上がり部の基礎幅は165mmで、外周部は外側が105mm、内側が60mmとなっています。
内周部は外側と内側がともに82.5mmとなっています。
つまりこの位置に配筋が来るように施工しましょうという指示ですね。
鉄筋自体の厚みも考慮しなければなりませんが、D13だとすると片側に6.5mm分あることになります。
この時、外周部の場合設計通りに施工したとして、鉄筋自体の厚み6.5mmを引くと53.5mmはかぶり厚さが確保できていることになり、まだ13.5mmの余裕があります。
なので、多少の施工誤差が生じても公共建築工事標準仕様書に示される値は十分に満足できるものと思われます。
底面は土に面している基礎なので60mmのかぶり厚が必要です。
これに対し設計上は、下に100mmのスペーサーがあるので40mmも余裕があります。
上側のかぶり厚も220mm-100mm(スペーサー)-13(鉄筋の厚み)=107mm確保できています。
底面に使用されるスペーサーはサイコロ状なのでサイコロと呼ばれることもあるようです。
本来は1mに1個程度のスペーサーを入れるのが理想と書かれているサイトもありました。
極端にたわんでいなければそこまで無くても大丈夫そうな気がしますが、一条工務店の現場ではどうなっているんでしょうか。現場を見に行った際には確認してみたいと思います。
十分な大きさのスペーサーを入れているので大丈夫そうな気がしますが、はじめの配置時に良くても作業している拍子にズレてしまうと、鉄筋が自重で下がり必要なかぶり厚が取れていない場合も考えられるので、注意しておきましょう。
側面は丸い感じ(分度器に穴開けたみたいな感じ、で伝わりますかね?)のスペーサーが使用されるようです。
この時、スペーサーは地面に対して水平に取り付けるのはNGで、垂直方向を向くように取り付ける必要があります。
理由としては、水平に取り付けるとコンクリートがうまく通らないとその部分の強度が落ちてしまうためです。
縦に取り付けた方がその可能性が低くなります。
他にも、かぶり厚に関しての確認箇所は鉄筋が一部分外に飛び出してかぶり厚が不足している箇所があったりするので要確認です。
また、細い結束用の針金も同様にかぶり厚を確保する必要があるので、変な方向にまとめられていないか確認しておきましょう。
配筋同士の近づき
コンクリートの中には小さな石が入っていますが、基礎に流し込むコンクリートには、最も大きいもので2cm大の石が入ったものがよく使われています。
隅々までしっかり流すためには、細いところでも2cmより大きい幅にしてあげないと砕石が詰まってしまい奥までコンクリートが行き渡らなくなってしまいます。
スリーブ周りのかぶり厚
基礎を貫通する配管が、配筋と近すぎるとこれもかぶり厚不足となってしまいます。
スリーブも配筋から40mmなど適切な距離を離して設置されているか確認しておきましょう。
ゴミなどの廃材などが中に残ってないか
現場の整理整頓は基本中の基本なので、一条工務店の現場でそんな事はないと思いますが、念のため確認項目としました。
整理整頓ができていない現場は安全、品質に対して意識が低いことを如実に現わしていますので、必ず何かしら問題があります。注意を払っておきましょう。
アンカーボルトが所定の位置全てに設置されているか
所定の位置に所定の数量が設置されていないと設計通りの強度が出ないので確認です。
設置漏れすることは無いだろうと思いますが、人間がやることなのに絶対はないので念のため確認だけはしておきます。
基礎図面には◎や二等辺三角形の形で表現されています。
実際の基礎図だとこんな感じで記載されています。
この図面だと◎で表されているM12アンカーボルトは87本、二等辺三角形のM16のアンカーボルトは6本あります。
アンカーボルトの位置ずれ
設置場所がズレているとかでは無く、斜めに取り付いてしまって部分的にかぶり厚が確保できていない状態になっていないか、と言うところですね。
設置時は真っ直ぐになっていたが、他の作業の拍子にズレたとか、元々の固定が甘くてズレてきた、など。
あとはコンクリート流し込んでる際に傾いてしまう場合もあるそうです。(施工方法にもよるんだと思いますが。)
ほんの少しの傾きくらいならばほとんど影響はなさそうですが、傾きが大きいと上部の部材と締結できなくなったり、無理やり曲げて締結すると設計通りの強度が出なくなってしまいます。
アンカーボルトの高さ不足
高さが不足するとこれも設計通りの強度が得られなくなってしまいます。
図面には下図のように書かれており、1mm単位で指定されています。結構細かく感じますが、誤差寸法はどれくらいまで許容されるのでしょうか。
型枠の剥離材
鉄筋に剥離剤が付着しているのはよくないとはじめに鉄筋の注意点のところでも述べていますが詳細について説明します。
基礎コンクリートは固まったあとには型枠を取り外す必要があります。
しかしコンクリートは密着性が高いため、型枠を取り付けるときに何もしないと型枠にコンクリートが付着して、取り外すのが難しくなります。
そこで、型枠をコンクリートから取り外しやすくするために剥離剤を使用します。
しかしながら剥離剤が鉄筋についてしまうと、鉄筋とコンクリートが剥がれやすくなり、本来の強さを発揮できません。
このため、剥離剤を型枠に塗るときは剥離剤が鉄筋に付着しないよう注意しなければなりません。
剥離剤の塗り方には2通りあります。
一つは型枠を組む前にあらかじめローラーで剥離剤を塗る方法です。
ローラーを使いペンキを塗るように型枠に剥離剤を塗り、その後型枠を取り付けます。
こうすることで配筋の近くで剥離剤を使用する機会を減らして剥離剤が付着する可能性を下げているんですね。
もう一つは配筋が終わったあと、スプレーのように剥離剤を塗る方法です。
配筋が終わったあとに噴霧器で剥離剤を吹き付けるやり方ですが、剥離剤が鉄筋に付着する確率が非常に高くなります。
なので、ローラーで塗る方式しか認めないところもあるようです。
いかがだったでしょうか。
基礎って見た目がっちりしているし、配筋とコンクリートたくさん使っているからどんなやり方をしてても大丈夫でしょ!って思っていたかもしれませんが、意外と確認すべき項目が多かったのではないでしょうか。
一条工務店ならば基本的には何も問題なく施工してくれるとは思いますが、人間のやることに絶対はありません。そして、基礎は現実的にはやり直しができませんし、後からのリカバリーが難しいです。
なので、施工業者側、施主側共に確認することでミスを減らすことが一番必要になってくる工程だと思っています。
基礎もしっかり見る人は少数かも知れませんが、皆さんの家づくりの一助になれば幸いです。